「MANGALOGUE:火の鳥」は、手塚治虫原作の「火の鳥」のマンガに描かれた絵や言葉を起点に、マンガを一人で読むという行為を、みんなで体験するものとして、会場全体で物語を共有する、ライブ形式の新しいマンガ体験です。
本公演では、マンガを映像作品や演劇作品にするのではなく、ページを読み進めていく流れや視点、物語へ没入していく過程を含めたマンガ体験そのものを、ライブパフォーマンスとして共有することで、物語が進んでいく過程をその場で追体験できます。
ナビゲートするのは、ロボットアームの「鉄腕アーム」。先端に備えたカメラの視線を巨大LEDスクリーンへと映し出し、まるで命が宿ったかのように熱心にマンガのコマを追います。普段は一人で読むマンガを、ここではその場にいる全員が同じ視線でたどりながら、物語をともに体験していきます。
公演には、手塚プロダクションにより、LEDシアターでの上映を前提として新たに着彩された100枚以上の着彩原稿を使用します。約60年前に描かれた白黒原稿をもとに、原作の線やページ構成を尊重しながら、元アシスタントの手によって、一枚一枚にあらためて色彩が施されています。マンガの絵を、紙面とは異なるスケールと環境で提示することで、線の力や色の広がりを、これまでとは違う距離感で体感することができます。
物語の舞台となる西暦3404年の世界。舞台には、ロボットアームとともにマンガの物語を読み解くキャスト「MANGALOGUER(マンガローガー)」、およびキャラクターに魂を吹き込む豪華声優陣が公演。表現者たちが時空を超えて響き合う、ライブならではの熱量をお届けします。
1928年生まれ、1989年没。
日本のマンガおよびテレビアニメーション文化の基礎を築いた、日本を代表するマンガ家であり、その革新的な功績から「マンガの神様」と称されています。
映画的なカメラワークを思わせるコマ割り、豊かな感情表現、そして長編による重層的な物語構造をマンガに持ち込み、新しい表現領域を切り拓きました。
『鉄腕アトム』『ジャングル大帝』『ブラック・ジャック』『火の鳥』など数多くの代表作を通して、生命の尊さ、人間の在り方、科学と倫理といった普遍的なテーマを描き続けました。その影響は世代や国境を越え、現在のマンガ・アニメーション、さらには映像表現全体にも及んでいます。
手塚治虫の作品は今なお読み継がれ、創作の原点として国内外で高く評価されています。
「火の鳥 未来編」は、全12篇から構成される『火の鳥』シリーズの一編です。
シリーズの中でも最も先の時代となる、西暦3404年以降の世界を舞台としています。
本作は1967年に発表され、地球環境の荒廃や人類社会の変質、人工生命の研究などを背景に物語が展開されます。作中では、AIやクローン技術を想起させる要素が描かれており、当時の科学観や未来像が反映されています。過去から未来へと連なる『火の鳥』全体の構成の中で、「未来編」は人類の行き着く先を描くエピソードとして位置づけられています。